国立感染症研究所

インフルエンザウイルス分離・検出速報

logo40


インフルエンザウイルス分離・検出速報 2016/17シーズン


 

 

インフルエンザウイルス分離・検出状況

 

インフルエンザウイルス分離・検出状況 2016年第36週(9/5-9/11)〜第48週(11/28-12/4)

国立感染症研究所・感染症情報センターには地方衛生研究所(地研)から「病原体個票」が報告されている。これには感染症発生動向調査の定点およびその他の医療機関、保健所等で採取された検体から検出された病原体の情報が含まれる(参考図)。
図1.週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数、2016年第20週~2016年第48週
(週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数、2015年第20週~2016年第35週)
図2.都道府県別インフルエンザウイルス分離・報告状況、2016年第36〜48
図3.インフルエンザウイルス分離・検出例の年齢群、2016年第36〜48週:CSV
図4.2009/10~2016/17シーズン比較:CSV

 *2016/17シーズンは2016年第36週/9月5日~2017年第35週/8月(検体採取週)。

図の元データは、以下の速報グラフ(病原体個票による報告)。

データは、土日祝日を除く2日前に地研から報告された情報。過去の週に遡っての追加報告もある。現在報告数は、地研より報告された日を表す。

<参考図> 週別インフルエンザ患者報告数とインフルエンザウイルス分離・検出報告数の推移、2008年第36週~2011年第41週
インフルエンザウイルス分離・検出状況 2015年第36週(8/31-9/6)~2016年第35週(8/29-9/4)
(2016年9月25日現在報告数)
インフルエンザウイルス分離・検出状況 2014年第36週(9/1-7)~2015年第35週(8/24-30)
(2015年9月24日現在報告数)
インフルエンザウイルス分離・検出状況 2013年第36週(9/2-8)~2014年第35週(8/25-31)
(2015年1月16日現在報告数)
インフルエンザウイルス分離・検出状況 2012年第36週(9/3-9)~2013年第20週(5/13-19)
(2013年5月16日現在報告数)
インフルエンザウイルス分離・検出状況 2011年第36週(9/5-11)~2012年第25週(6/18-24)
(2012年7月19日現在報告数)
インフルエンザウイルス分離・検出状況 2010年第36週(9/6-12)~2011年第19週(5/9-15)
(2011年9月6日現在報告数)
インフルエンザウイルス分離・検出状況 2009年第19週(5/4-10)~2010年第19週(5/10-16)
(2010年5月13日現在報告数)
国立感染症研究所感染症疫学センター 病原微生物検出情報事務局
 
 

定型グラフ・集計表の更新停止について(2015年6月11日)

現在、厚生労働省では情報システムのセキュリティに関する確認のための作業が行われています。この関係で、厚生労働省の情報システムで作成されている下記の「毎日更新」または「自動更新」と書かれた定型の速報グラフ・集計表(https://nesid3g.mhlw.go.jp/から始まるURLへのリンク)は、2015年6月10日以降更新が停止しております。 復旧の時期は未定となっております。 ご利用の皆様にはご迷惑をお掛けしますが、しばらくお待ちください。

2015年6月11日 IASR編集委員会


2015年7月24日追記

現在自動更新が停止している病原体検出情報の速報グラフ・集計表は、しばらくの間週末から週はじめにかけて週1回のペースで更新していく予定です。ご利用の皆様には引き続きご迷惑をお掛けいたしますが、ご了承ください。

*データは、地方衛生研究所(地衛研)からNESID病原体検出情報に報告された情報に基づく。感染症発生動向調査の定点およびその他の医療機関、保健所等で採取された検体から検出された病原体の情報が含まれる。

 
定型のグラフ・集計表(URLの末尾が/data〇j.csvや/data〇j.pdfとなっているもの)は自動作成されており、作成日の2日前(土日祝日を除く)までに報告された情報が反映されている。病原体検出情報は、過去の週(検体採取)に遡っての追加報告もある。
 
「〇年〇月〇日現在報告数」と表記されている図(URLの末尾が.gifとなっているもの)は、地衛研よりNESIDに報告された日までの集計値を用いて随時作成している。

 

 

速報グラフ(病原体個票による報告)(自動更新)

インフルエンザウイルス

シーズン別週別

    2012/13~2016/17シーズン

都道府県別

    2016/17シーズン

週別(AH1にAH1pdm09を含む)

    2015/16&2016/17シーズン

過去4シーズンとの比較

    2012/13~2016/17シーズン

都道府県別・週別

    2016/17シーズンAH1pdm09
    2016/17シーズンA(H1)亜型
    2016/17シーズンA(H3)
    2016/17シーズンB型(合計)
    2016/17シーズンB型(ビクトリア系統)
    2016/17シーズンB型(山形系統)

  過去のシーズン(2015/16)(2014/15(2013/14(2012/132011/12)(〜2010/11

 

速報集計表(病原体個票による報告) (自動更新)

   
 2016/17シーズン
 
  シーズン別     pdf csv
  月 別     pdf csv
  年 別     pdf csv

 

 

 

 

IASR・インフルエンザ速報記事

2015/16シーズン終わりおよび2016/17シーズン初めに分離されたインフルエンザウイルス—新潟県

IASR-logo

2015/16シーズン終わりおよび2016/17シーズン初めに分離されたインフルエンザウイルス—新潟県

(掲載日 2016/11/24)

新潟県では、2016年8月および9月にインフルエンザウイルスによる集団感染が発生し、A/H1pdm09亜型のウイルスを分離したので報告する。

2016/17シーズン初めのインフルエンザの動向—茨城県

IASR-logo

2016/17シーズン初めのインフルエンザの動向—茨城県

(掲載日 2016/10/25)(IASR Vol. 37 p.231-233: 2016年11月号)

2016/17シーズン第36週〜第40週にかけて、県内ではインフルエンザの集団感染が相次いで発生したので、それらの状況について報告する。

2016年9月上旬にシンガポールへの渡航歴のある患者から分離されたA/H3亜型インフルエンザウイルス―三重県

IASR-logo

2016年9月上旬にシンガポールへの渡航歴のある患者から分離されたA/H3亜型インフルエンザウイルス―三重県

(掲載日 2016/10/25) (更新日 2016/11/10)(IASR Vol. 37 p.233-234: 2016年11月号)

2016/17シーズンの三重県内のインフルエンザ定点(内科、小児科)医療機関における迅速診断キットによる測定結果により、A型インフルエンザウイルスの検出が2016年第36週に2件、第39週に1件、第40週に11件報告1)されている(第40週現在)。今回、三重県感染症発生動向調査事業において2016年第35週(9月)にシンガポールへ渡航歴のある患者検体から分離されたA/H3亜型インフルエンザウイルスの遺伝子系統樹解析について報告する。 

 

IASR・インフルエンザ外国情報記事

IASR・インフルエンザ特集号

IASR 37(11)、2016【特集】インフルエンザ 2015/16シーズン

IASR-logo

インフルエンザ2015/16シーズン

(IASR Vol. 37 p.211-213: 2016年11月号)

2015/16シーズン(2015年第36週/9月~2016年第35週/8月)のインフルエンザは,国内では2シーズンぶりにA/H1pdm09が流行の主体で,2016年第6週/2月がピークであった。B型は2016年第2週から増え始め,2系統(山形系統, Victoria系統)の混合流行であった。

Read more ...

IASR 36(11), 2015【特集】インフルエンザ2014/15シーズン

IASR-logo
 
The topic of This Month Vol.36 No.11(No.429)

インフルエンザ2014/15シーズン

(IASR Vol. 36 p. 199-201: 2015年11月号)

2014/15シーズン(2014年第36週/9月~2015年第35週/8月)のインフルエンザは、国内では2シーズンぶりにAH3が流行の主体で、2015年1月がピークであった。後半にはB型も流行し、2015年第12週にピークを迎えた。

患者発生状況:感染症発生動向調査では、全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関(小児科約3,000、内科約2,000)から、インフルエンザの患者数が毎週報告されている。週別定点当たり報告数の推移(図1)(http://www.nih.go.jp/niid/ja/10/weeklygraph.html)をみると、2014年第48週に全国レベルの流行開始の指標である1.0人を超え、2015年第18週まで1.0人以上が持続した。報告のピークは2015年第4週(39.4人)であった(図1)。都道府県別にみると、2014年第48週に初めて岩手県で流行の注意報レベルである定点当たり報告数10.0人を超え、2015年第2週には47都道府県すべてで定点当たり報告数10.0人を超えた(http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/Hasseidoko/Levelmap/flu/2014_2015/trend.html)。本シーズンの定点当たり報告数/週の累積は289.8人であった(前シーズンは301.0人)。

2014/15シーズンは流行開始後間もなく、施設内集団発生事例が報告された(本号9ページ)。沖縄県では2005年以降毎年のように夏季にインフルエンザが流行したが、2013/14シーズン以降みられていない。ただし、沖縄県でのみ定点当たり報告数1.00以上が継続し(2014年第47週~2015年第42週現在)、2015年7月には施設内集団発生事例があった(本号11ページ)。

インフルエンザ定点医療機関の報告数に基づく推計では、2014年第36週~2015年第20週(2014年9月1日~2015年5月17日)の間に全国の医療機関を受診したインフルエンザ患者数の累計は約1,503万人であった。重症例把握を目的とする入院サーベイランス(2011年9月に開始)によると、2014/15シーズンの基幹定点医療機関(全国約500カ所の300床以上の病院)入院患者数は12,705人で、前シーズンの総数9,905人と比較して約28%の増加であった(本号12ページ)。2014/15シーズンに5類感染症の急性脳炎(脳症を含む)として届け出られた患者のうち、インフルエンザ脳症に分類される患者数は101例(暫定値)であり、前シーズン(96例)と同程度であった(本号14ページ)。また、2014/15シーズンは2015年1月に総死亡者数が閾値を上回り、5,000人程度の超過死亡が発生した(本号15ページ)。

ウイルス分離・検出状況:全国の地方衛生研究所(地衛研)が2014/15シーズンに分離・検出したインフルエンザウイルスの報告総数は6,170(分離4,456、検出のみ1,714)であった(表1)。うち、インフルエンザ定点の検体からの分離・検出数は5,100、インフルエンザ定点以外の検体からの分離・検出数は1,070であった(表2)。AH3が85%、B型が14%(山形系統対Victoria系統の割合は約9:1)、AH1pdm09が1%であった(表2)。AH3は2014年第46週から増加し、2015年第2週にピークに達した。B型は2015年第2週から増加し、第12週のピーク以降A型を上回った(図1および図2)。AH3分離例中、5~9歳が26%で、10~14歳が24%であった(図3およびhttp://www.nih.go.jp/niid/images/iasr/rapid/inf2/2015_35w/innen5_150924.gif)。B型山形系統分離例では、5~9歳が全年齢の32%を占めた。

2014/15シーズン分離ウイルスの抗原性(本号4ページ):国立感染症研究所が行った国内およびアジア地域分離株の抗原性解析結果は以下の通りである。AH1pdm09の99株は、台湾由来2株以外、すべてA/ California/7/2009(2014/15シーズンワクチン株)と同じ抗原性を持っていた。AH3の366株の大部分は、遺伝子系統樹上クレード3C.2aに属し、クレード3C.3aや3C.3bは少数であった。中和試験法で(本シーズンのAH3の多くは赤血球凝集活性が極めて低く、HI試験には不適当)、AH3の7割以上が、A/New York/39/2012(クレード3C.3)(2014/15シーズンワクチン株)と異なる抗原性を示した。B型山形系統205株については、ほぼすべてがB/Massachusetts/02/2012(2014/15シーズンワクチン株)と抗原性が類似し、B型Victoria系統39株はすべて、B/Brisbane/60/2008(2011/12シーズンワクチン株)と抗原性が類似していた。

2014/15シーズン分離ウイルスの薬剤耐性(本号4ページ):国内分離のAH1pdm09の42株すべてが、オセルタミビル/ザナミビル/ペラミビル/ラニナミビルに対し感受性であった。AH3は、国内分離353株中、1株のみがオセルタミビル/ペラミビルに耐性で、ザナミビルには低感受性であった。B型分離株は、国内外すべて、上記4薬剤に対して感受性であった。

抗体保有状況:予防接種法の改正により、2013年4月1日から法に基づき、予防接種による免疫の獲得状況に関する調査(本号16ページ)が行われている。2014/15シーズン前の2014年7~9月に採血された血清(約7,000検体)における抗A/California/7/2009 [A(H1N1) pdm09]抗体保有率(HI価≥1:40)は、10代と20代前半の年齢群では75%以上、0~4歳群および60歳以上では40%未満であった。抗A/New York/39/2012 [A(H3N2)]抗体保有率は、10~14歳が80%以上で、0~4歳群は30%未満、30歳以上群では40~60%であった。B/Massachusetts/2/ 2012(B型山形系統)に対する抗体保有率は10代~40代が50%以上であり、特に20代が70%を上回り、0~4歳群および60歳以上群では30%未満であった。B/Brisbane/60/2008 (B型Victoria系統)に対する抗体保有率は40~44歳群が50%で、0~4歳群、25~29歳群、60歳以上群は30%未満であった。

インフルエンザワクチン:2014/15シーズンには3価ワクチン約3,346万本(1ml換算、以下同様)が製造され、約2,649万本(推計値)が使用された。

2015/16シーズンワクチン株については、近年のインフルエンザの流行においてA(H1N1)pdm09およびA(H3N2)に加えてB型ウイルスの山形系統とVictoria系統の混合流行が続いていることからA型2株とB/山形系統およびB/Victoria系統からそれぞれ1株ずつを製造株とした4価ワクチンが導入されることとなった。なお、インフルエンザHAワクチンの生物学的製剤基準の改正もあわせて行われた[2015(平成27)年3月30日](本号19ページ)。

2015/16シーズンワクチン株は、AH1は2010/11~2014/15シーズンに引き続きA/California/7/2009(X- 179A)が選択され、AH3は2014/15シーズンのA/New York/39/2012(X-233A)からA/Switzerland/9715293/2013(NIB-88)に変更され、B/山形系統は2014/15シーズンのB/Massachusetts/2/2012(BX-51B)からB/Phuket/3073/2013に変更された。新たに加わったB/Victoria系統については、B/Texas/2/2013が選択された。

おわりに:定点、学校(インフルエンザ様疾患発生報告)、入院サーベイランス等による患者発生動向の監視、通年的なウイルス分離、ワクチン候補株確保のための流行株の抗原変異・遺伝子変異の解析、抗インフルエンザ薬耐性ウイルス出現の監視、国民の抗体保有率の監視が今後の対策に引き続き重要となっている。2014/15シーズンのインフルエンザについては、「今冬のインフルエンザについて」(http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/disease/influ/fludoco1415.pdf)も参考されたい。

2015/16シーズンのインフルエンザウイルス分離・検出速報は、本号25, 26 & 27ページおよびhttp://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-inf.htmlに掲載している。

 

Read more ...

IASR 35(11), 2014【特集】インフルエンザ2013/14シーズン

IASR-logo
 
The topic of This Month Vol.35 No.11(No.417)

インフルエンザ2013/14シーズン

(IASR Vol. 35 p. 251-253: 2014年11月号)

2013/14シーズン(2013年第36週/9月~2014年第35週/8月)のインフルエンザは、国内では3シーズンぶりにインフルエンザウイルスA(H1N1)pdm09(以下AH1pdm09)が流行の主体で、次いでB型、AH3亜型であった。患者発生のピークは例年通り1月であった。

患者発生状況:感染症発生動向調査では、全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関(小児科約3,000、内科約2,000)から、インフルエンザと診断された患者数が週単位で報告されている。定点当たり週別患者数(http://www.nih.go.jp/niid/ja/10/weeklygraph.html)は、2013年第51週以降、全国レベルで流行開始の指標である1.0人を超え、その後2014年第19週までの21週間、全国レベルで1.0人を下回ることはなかった。報告のピークは2014年第5週(34.4人)で(図1)、AH3亜型が流行の主体であった前シーズン(2013年第4週、36.4人)と同時期・同レベルであった。シーズン全体の定点当たり患者報告数の累積は301.0人であった(前シーズン239.0人)。都道府県別にみると、定点当たり患者報告数は2014年第1週に沖縄県で初めて10.0人を超えた。その後10.0人を超えたのは、2014年第3週に30都府県、第5週に47都道府県に及び、全国的な流行となった(https://nesid3g.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/index.html)。沖縄県では、2005年以降毎年のように夏季のインフルエンザ流行が観察されていたが、2013/14シーズンにはそれが観察されなかった(本号12ページ)。

インフルエンザ定点医療機関からの報告数をもとに推計すると、2013年第36週~2014年第21週(2013年9月2日~2014年5月25日)に全国の医療機関を受診した患者数累計は約1,572万人であった。重症例把握を目的に2011年9月に開始された入院サーベイランスでは、2013/14シーズンの基幹定点医療機関(全国約500カ所の300床以上の病院)入院患者数は9,905人で、前シーズンの総数10,373人と比較して約5%の減少であった(本号11ページ)。

ウイルス分離・検出状況:全国の地方衛生研究所(地衛研)で2013/14シーズンに分離・検出されたインフルエンザウイルスの報告総数は8,230(分離6,345、検出のみ1,885)であった(表1)。うち、インフルエンザ定点の検体からの分離・検出数は6,738、インフルエンザ定点以外の検体からの分離・検出数は1,492であった(表2、本号8ページ)。型・亜型別割合はAH1pdm09が43%、AH3亜型が21%、B型が36%であった。B型のうち、山形系統とVictoria系統の割合は7:3であった(表1)。A型では2010/11シーズン以来の、AH1pdm09が主流となったシーズンであった。AH3亜型は2014年第4週がピークであったが、以後減少した。B型は2014年第10週以降、A型を上回った(図1および図2)。分離例の年齢分布をみると、AH1pdm09およびB型山形系統とも5~9歳が最も多い傾向にあった(図3、本号8ページ)。

2013/14シーズン分離ウイルスの抗原性・薬剤耐性(本号4ページ):国内およびアジア地域から収集した分離株について国立感染症研究所で詳細な抗原性解析を行った。AH1pdm09は255株ほぼすべてがワクチン株A/California/7/2009に類似しており、国内で分離された1株のみがA/California/7/2009に対する抗原変異株であった。AH3亜型は244株すべてがワクチン株A/Texas/50/2012類似株であった。B型山形系統は163株のほぼすべてがワクチン株B/Massachusetts/02/2012類似株で、解析した分離株の28%は、ワクチン株と同じ遺伝子グループ(クレード2)に属したが、72%の分離株は2012/13シーズンのワクチン株B/Wisconsin/1/2010で代表されるグループ(クレード3)に分類された。一方、B型Victoria系統104株はすべて、2011/12シーズンのワクチン株B/Brisbane/60/2008類似株であった。

国内分離のAH1pdm09の4.2%(105/2,524株)が耐性遺伝子マーカー変異H275Yを有するオセルタミビル/ペラミビル耐性株であった。2013年11月~2014年2月にかけて札幌市を中心とするH275Y耐性変異ウイルスの地域流行があり、道内での耐性ウイルス検出率は28%と高率であった。AH3亜型およびB型の解析した国内外すべての分離株は、オセルタミビル/ザナミビル/ペラミビル/ラニナミビルに対し感受性であった。

抗体保有状況:予防接種法の改正により、予防接種による免疫の獲得状況に関する調査(本号14ページ)は、2013年4月1日から法に基づく調査になった。2013/14シーズン前の2013年7~9月に採血された血清(n=6,571)における抗A/California/7/2009 [A(H1N1) pdm09亜型]抗体保有率(HI価≥1:40)は、10代と20代前半の年齢群では70%以上と高かったが、0~4歳群および50代後半以上では概ね20~30%と低かった。抗A/ Texas/50/2012[A(H3N2)亜型]抗体保有率は年齢群間の差はA(H1N1)pdm09亜型ほど顕著ではなかったが、0~4歳群および60~64歳群の抗体保有率が30%前後と低かった。抗B/Massachusetts/02/2012(B型山形系統)抗体保有率は20~24歳群をピークに15~29歳で50%以上であったが、0~4歳群で約10%と低かった。抗B/Brisbane/60/2008(B型Victoria系統)抗体保有率は、35~44歳群が50%前後と最も高かったが、0~4歳群および60~64歳群では20%前後で低かった。

インフルエンザワクチン:2013/14シーズンには3価ワクチン約3,388万本(1ml換算、以下同様)が製造され、約2,581万本(推計値)が使用された。

2014/15シーズンワクチン株は、AH1亜型は2010/11~2013/14シーズンに引き続きA/California/7/2009(X-179A)が選択され、AH3 亜型は2013/14シーズンのA/Texas/50/2012(X-223)株から卵馴化による抗原変異の影響が少ないA/New York/39/2012(X-233A)株に変更され、B型は2013/14シーズンに引き続き山形系統のB/Massachusetts/2/2012(BX-51B)が選択された(本号17&19ページ)。

鳥インフルエンザA(H7N9):2013年3月下旬~2014年9月末現在、中国での鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒトへの感染報告は、2つの波を形成した。確定患者総数は454人(うち死亡171)であり、第2波(2013年10月以降)の感染者は318人(うち死亡127)と、第1波(2013年10月以前)よりも多くの患者が報告された(本号21ページ)。鳥インフルエンザ(H7N9)は、わが国では2013年4月26日に指定感染症となり、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス検出マニュアルが作成され、検査試薬(PCR試薬、プライマー・プローブ、陽性対照等)が全国の74地衛研と16検疫所に配布され、検査体制は整っている。

鳥インフルエンザA(H5N1):2014年は、ヒトでの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスの感染例は13例(うち死亡6)であり、内訳はカンボジア(9例、うち死亡4)、中国(2例、死亡0)、ベトナム(2例、死亡2)である(10月17日現在報告数)(http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/AvianInfluenza/en/)。

国内の鳥インフルエンザ:2014年4月、熊本県内の肉用養鶏場において高病原性鳥インフルエンザ(H5N8亜型)が発生した。発生農場の防疫措置を実施し、その完了後21日の経過を待って移動制限区域が解除された。ウイルス遺伝子配列の解析から、熊本県でのウイルスは韓国で分離されたH5N8亜型ウイルスとほぼ同一であり、韓国からの由来であると推定された(http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/niah/051983.html)。

新型インフルエンザ等対策特別措置法:高病原性新型インフルエンザや同様の危険性のある新感染症に対し、国民の生命・健康を保護し、国民生活・国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が2012年5月11日に公布、2013年4月13日に施行された(http://www.cas.go.jp/jp/influenza/120511houritu.html)。2013年6月には政府行動計画等が取りまとめられ、昨年度中に全都道府県で行動計画作成が終了した。

おわりに:定点、学校(インフルエンザ様疾患発生報告)、入院サーベイランス等による患者発生動向の監視、通年的なウイルス分離、ワクチン候補株確保のための流行株の抗原変異・遺伝子変異の解析、抗インフルエンザ薬耐性ウイルス出現の監視、国民の抗体保有率の監視が今後の対策に引き続き重要となっている。2014/15シーズンのインフルエンザウイルス分離・検出速報は本号22ページおよびhttp://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-inf.htmlに掲載している。

 

 

Read more ...

 
WHOのインフルエンザ情報

 


Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

Top Desktop version