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職域における麻疹対策の課題と在り方について―産業医の立場から

(IASR Vol. 38 p.56-57: 2017年3月号)

当社の取り組み

筆者が産業医を務める小売業は, 不特定多数の顧客に日々対面で接するという業務特性上, 麻疹等の感染症対策が喫緊の課題となっている。当社の場合, 海外でも事業展開している他, 訪日外国人を対象としたインバウンド事業にも注力しており, また本社は海外からの玄関口である成田空港にも比較的近いことから, 常に主要な感染症の動向を注視している。2016年8~9月に関西地区で麻疹の集団感染が発生した際には, 発生地区に所在する店舗の労働者に対して注意喚起するとともに, 店舗管理者による勤務前の体調確認を実施している。事業継続マネジメント(BCM: business continuity management)の観点から, 感染症に係る総合的な対策本部が本社総務部門内に設置されており, 人事部門とも連携の上, 社内規程・社内通達等で流行状況に応じた対策を周知徹底している。

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