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麻疹の検査診断法(real-time PCR法を中心に)

(IASR Vol. 38 p.55-56: 2017年3月号)

麻疹は世界保健機関(WHO)が排除を目指している感染症である。麻疹排除とは「優れたサーベイランス体制が存在するある特定の地域において, 12カ月間以上継続して伝播した麻疹ウイルスが存在しない状態」と定義されている。また, 「優れたサーベイランス」の指標として, 1)麻疹疑い例の80%以上から適切な検体が採取され, 習熟した検査施設で検査診断が実施されること, 2)麻疹と確定されたアウトブレイクの80%以上からウイルス検出に適切な検体が採取され, その検体が習熟した検査施設で検査されること, などの4項目が挙げられている1)。麻疹排除を達成, 維持していくには検査診断に基づいたサーベイランス体制の確立が不可欠である。

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