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首都圏内の空港に関連する遺伝子型D8の麻疹発生事例について

(IASR Vol. 38 p.52-53: 2017年3月号)

2016年7月末, 関西国際空港を利用した旅行者や従業員計5人に遺伝子型H1の麻疹が感染伝播し, うち1人を発端とする家族内伝播(4人が新たに発症)と海外有名アーティストのコンサート(千葉県)における散発的伝播, さらに別の1人から関西空港事業所勤務者33人の集団感染が発生したことは広く知られている1)。国内の国際空港において, 流行地を含む海外から渡航した感染者と遭遇し, 麻疹に感染するリスクがあることが明らかとなった。約1カ月後に, 首都圏の某空港(以下, A空港という)においても, 共通の麻疹ウイルスの伝播を示唆する事例が発生したことが, 感染症発生動向調査(NESID)から得られた情報および自治体等関連機関間の情報共有によって明らかとなったことから概要を記す。

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