セレウス菌感染症とは

(IDWR 2003年第5号)  本感染症は、感染症法における4類感染症定点把握疾患の感染性胃腸炎の中に含まれる。セレウス菌感染症は殆ど食中毒の形をとり、嘔吐型と下痢型が ある。わが国においては1960 年代以降、セレウス菌食中毒が報告されており、そのほとんどが嘔吐型である。厚生省は1982 年3月に食中毒の原因菌として本菌を新たに追加指定し、1983 年の食中毒統計から病因物質として記載されるようになった。

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茨城県内の地域医療を担う病院におけるBacillus cereus院内感染事例

(速報掲載日 2019/7/25) (IASR Vol. 40 p121-123:2019年7月号)

2018年茨城県内の地域医療を担う病院(約400床規模)からBacillus cereusによる院内感染が保健所に報告された。B. cereusを含むBacillus属菌は環境に広く存在しており, 臨床検体からの検出は稀でなく, 国内医療機関における100病床あたりのBacillus属菌血液培養検出は中央値で年間0.85株と報告されている1)。当該病院の血液培養B. cereus検出症例は2012年から2016年まで年間2~10例であり, 2017年20例, 2018年は11月20日時点で25例と増加していた()。

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