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2022年以降の本邦麻疹届出例における確定例と取り下げ例の比較

(IASR Vol. 44 p142-143: 2023年9月号)
 
背 景

日本は2015年に世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局により麻疹排除の認定を受けた。以降もその状態の維持に努めており, 都道府県等は, 疑い症例が1例でも発生した際にはPCR検査を含む積極的疫学調査等を実施し, 医師により麻疹が否定されたものについては発生届を取り下げている(取り下げ例)。認定後も輸入例が発端となった集団発生事例1)等が複数発生しているが, 特に, 2023年4月以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としての水際対策の大きな緩和2)にともなう国際的な人の往来の増加の影響により, 輸入例の増加が懸念される。

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