リステリア・モノサイトゲネス感染症とは

 リステリア症はListeria monocytogenes (リステリア・モノサイトゲネス)による感染症で、ヒトのほか種々の動物にも認められる人畜共通感染症である。本菌は動植物を始め自然界に広く分布している。  ヒトのリステリア症が我が国で最初に報告されたのは、1958 年8月に山形県で髄膜炎、11月に北海道で胎児敗血症性肉芽腫症を発症した症例である。以来、1970年代前半まで年間数例の散発例がみられていたが、 徐々に本症に対する関心が高まるにつれて報告数も漸増してきている。リステリア症の病型は、ヒトでは髄膜炎が最も多く、次いで敗血症、胎児敗血症性肉芽腫 症、髄膜脳炎、動物では脳炎のほか敗血症、流産などがある。1980 年代に欧米諸国で生乳、サラダ、ナチュラルチーズなどの食品が感染源となったリステリア症が相次いで報告され、食品衛生の分野で重要視されている。

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複数の型が検出されたListeria monocytogenes集団感染事例―福岡市

(IASR Vol. 43 p195-196: 2022年8月号)

 

 2021(令和3)年5月, 福岡市内で食品媒介が疑われるListeria monocytogenesLM)の感染事例が発生したため, 概要を報告する。

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