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2020年におけるバンコマイシン耐性腸球菌感染症届出患者の増加について

(速報掲載日 2021/3/30) (IASR Vol. 42 p100-101: 2021年5月号)
 

 バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症は、感染症法上の5類全数把握対象疾患であり、感染症発生動向調査における届出患者数は2011~2019年まで年間100例未満で推移してきた。しかし、2020年は135例(2021年1月25日現在)と、これまで最多であった2010年の120例を超えた(図1)。届出都道府県の数で比較しても、過去10年間で届出数が55と最も少なかった2013年が15都道府県からであったのに対し、2020年は26と、都道府県数が約1.7倍に増加している。特定の地域ではなく、全国的に届出が増加していることが懸念される(図2)。

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