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インバウンド真菌症(ヒストプラスマ症)

(IASR Vol. 45 p17-18: 2024年2月号)
 

ヒストプラスマ症はHistoplasma spp.(ヒストプラスマ属菌)による感染症であり, 近年診断症例数が増加している。カプスラーツム型ヒストプラスマ症(H. capsulatumによる)の流行地の中心は米国中央部のミシシッピ渓谷からオハイオ渓谷である。その他の国・地域(中南米, 東南アジア, オーストラリア, ヨーロッパなど)にも広範囲・散発的に流行地がみられる。一方, ズボアジィ型ヒストプラスマ症(H. duboisiiによる)は, 中部および東部アフリカ(特にウガンダ, ケニア, ガボン, コンゴ共和国, コンゴ民主共和国)などの特定地域でみられる。ズボアジィ型ヒストプラスマ症は皮膚, 骨, 軟部組織が病変部位となることが多い。皮膚病変は潰瘍をともなう多発性丘疹が多い。骨病変は無痛性で, 多発性であることが多い。播種型は多臓器を侵し, 極めて予後不良である。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan