HIV感染者/AIDS患者(以下, HIV陽性者)の予後が改善され, 長期療養体制を整える必要が生じた。2018(平成30)年に全面改正された「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針(エイズ予防指針)」は, エイズ治療の拠点病院(以下, 拠点病院)が拠点病院以外の施設とも協力して地域包括的なエイズの診療体制再構築を行うことを求めている。そのためには, 拠点病院のHIV感染症/AIDS治療(以下, エイズ治療)に関する現況の把握および課題抽出が重要で, わが国のエイズ治療にかかわる悉皆性の高い情報を継続的に収集・解析可能なシステム構築が必要である。