経口生ポリオワクチン(oral polio vaccine: OPV)は経口投与され, 腸管で増殖した後に糞便中に排出される。排出されたワクチン株は, ワクチン接種率が低い地域や衛生状態が良くない場合に, 糞口感染で広まることがある。このようにして人から人への感染を繰り返す間にワクチン株のウイルスゲノムに変異が生じて病原性が復帰し, 社会に広まったポリオウイルスを伝播型ワクチン由来ポリオウイルス(circulating vaccine-derived poliovirus: cVDPV)と呼ぶ。