2021~2022年冬季も日本および世界で高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)の感染事例が相次いだ。本邦では2021年11月8日~2022年5月18日までに, 全国で25件の家禽農場での発生と107例の野鳥および環境からのHPAIVの検出事例が報告され, そのうち, 北海道では4件の農場での発生と70例の野鳥からの検出が報告された(図1)1,2)。本稿では2022年1~5月までに北海道内の野鳥で確認されたHPAIV感染に関する概要を述べる。また野鳥間で循環していたと思われるHPAIVが, キタキツネやタヌキに感染した事例についても触れたい。