(IASR Vol. 37 p. 126-127: 2016年7月号)
1947年にウガンダのジカの森で黄熱のおとりとして使用されたアカゲザルからジカウイルスが初めて分離された。その際, 媒介蚊調査も同時に行われ, 樹冠部で採集されたヤブカ属の蚊Aedes africanusからジカウイルスが分離された1,2)。同じフラビウイルス属のウイルスである黄熱ウイルスやデングウイルスには, 森林に生息する野生動物(主にサル)と蚊によるウイルスの森林サイクル(sylvatic cycle)があることが知られるが, ジカウイルスにも同様の感染サイクルがあることが示唆された。その後の西アフリカでの流行には, ネッタイシマカAe. aegyptiとヒトスジシマカAe. albopictusが関与した可能性が高いと考えられており, 都市型サイクル(urban cycle)に移行した流行であったと推察された。