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麻しん排除維持のために~自治体間の連携の重要性~(静岡県西部地区におけるカタール国からの輸入症例について)

(IASR Vol. 37 p. 65-67: 2016年4月号)

はじめに

麻しんは発熱, 全身の発疹, カタル症状を特徴とするウイルス感染症で, 非常に感染力が強く, 免疫がない集団に1人の発症者がいると, 12人~14人が感染するとされている(インフルエンザは1人~2人)1)。2007年に発生した, 10代~20代を中心とする大流行を受けて, 厚生労働省が2008年に 「麻しんに関する特定感染症予防指針」 を策定し, 時限的に予防接種対象を拡大するなどの施策を推進した結果, 2015年3月27日に世界保健機関西太平洋地域事務局により, 日本が麻しんの排除状態にあることが認定された。

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