発生動向総覧
〈第17週コメント〉 5月2日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核 379例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢1例〔菌種:S. boydii (C群)_感染地域:スーダン/南スーダン〕
腸管出血性大腸菌感染症7例(有症者6例、うちHUS なし) |
|
感染地域:国内7例 国内の感染地域:福岡県2例、千葉県1例、東京都1例、神奈川県1例、大阪府1例、不明1例 年齢群:4歳(1例)、10代(1例)、20代(2例)、40代(1例)、60代(1例)、70代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT不明(2例)、O26 VT1(1例)、O91 VT1(1例)、O157 VT1・VT2(1例)、その他・不明(2例) 累積報告数:226例(有症者108例、うちHUS 5例.死亡なし)
|
パラチフス1例(感染地域:大阪府) |
4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:北海道_感染源:不明) A型肝炎5例(感染地域:千葉県2例、広島県1例、インド2例) つつが虫病1例(感染地域:福島県) 日本紅斑熱1例(感染地域:広島県)
マラリア2例
|
|
三日熱1例_感染地域:インド 卵形1例_感染地域:ウガンダ
|
レジオネラ症10例(肺炎型10例.うち1例死亡)
|
|
感染地域:高知県2例、宮城県1例、山形県1例(温泉)、埼玉県1例、長野県1例、岐阜県1例(温泉)、兵庫県1例、岡山県1例、宮崎県1例 年齢群:60代(2例)、70代(4例)、80代(3例)、90代(1例)
|
|
5類感染症: |
アメーバ赤痢10例(腸管アメーバ症8例、腸管外アメーバ症2例) |
|
感染地域:埼玉県2例、愛知県1例、三重県1例、宮崎県1例、国内(都道府県不明)3例、インドネシア1例、ボリビア1例 感染経路:経口感染2例、性的接触2例(異性間1例、異性間・同性間不明1例)、不明6例
|
ウイルス性肝炎1例(B型_感染経路:不明) クリプトスポリジウム症1例(感染地域:愛知県)
後天性免疫不全症候群10例〔AIDS 3例(うち1例死亡)、無症候6例、その他1例〕 |
|
感染地域:国内8例、国外(国不明)1例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触9例(異性間1例、同性間6例、異性/同性間 1例、異性間・同性間不明1例)、性的接触(同性間)/静注薬物使用1例
|
ジアルジア症1例(感染地域:大阪府) 髄膜炎菌性髄膜炎1例(感染地域:大阪府) 梅毒12例(早期顕症I期2例、早期顕症II期4例、無症候6例) 破傷風1例(年齢群:60代)
風しん9例(検査診断例5例、臨床診断例4例)
|
|
感染地域:兵庫県5例、東京都1例、長野県1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)1例 年齢群:2歳(1例)、4歳(1例)、10~14歳(1例)、15~19歳(1例)、20~24歳(1例)、25~29歳(1例)、35~39歳(2例)、50代(1例) 累積報告数:144例(検査診断例107例、臨床診断例37例)
|
麻しん2例(臨床診断例2例)
|
|
感染地域:兵庫県2例 年齢群:10~14歳(1例)、30~34歳(1例) 累積報告数:110例〔麻しん(検査診断例70例、臨床診断例20例)、修飾麻しん(検査診断例)20例〕 遺伝子型別累積報告数(遺伝子型が同定・報告された症例のみ):49例 D4:5例_感染地域:千葉県1例、東京都1例、東京都/ベトナム1例、大阪府/英国1例、パキスタン1例 D8:36例_感染地域:愛知県19例、千葉県5例、岐阜県3例、山梨県2例、都道府県不明6例、タイ1例 D9:8例_感染地域:岡山県4例、栃木県1例、千葉県1例、東京都1例、フィリピン1例
|
(補)2012年第16週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢2例〔菌種:S. flexneri(B群)2例_感染地域:神奈川県1例、国内(都道府県不明)1例〕、E型肝炎3例(感染地域:北海道2例_感染源:不明2例、感染地域:インド1例_感染源:不明)、エキノコックス症1例(多包条虫_感染地域:北海道)、日本紅斑熱1例(感染地域:三重県)、マラリア1例(熱帯熱_感染地域:カメルーン)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔70代(1例)、80代(1例)〕などの報告があった。
|
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は第6週以降減少が続いている。都道府県別では福井県(12.28)、沖縄県(10.90)、青森県(9.83)、熊本県(8.26)、岩手県(8.22)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は565例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約79%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では佐賀県(0.86)、宮崎県(0.78)、鹿児島県(0.76)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では富山県(4.62)、北海道(4.56)、大分県(3.97)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は横ばいであったが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では山形県(22.2)、島根県(20.6)、鳥取県(19.1)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では宮崎県(3.42)、高知県(3.10)、山形県(2.97)が多い。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では沖縄県(2.62)、福井県(0.73)、香川県(0.53)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では高知県(1.40)、鳥取県(1.05)、徳島県(0.91)が多い。百日咳の定点当たり報告数は第13週以降増加が続いている。都道府県別では高知県(0.40)、沖縄県(0.24)、広島県(0.13)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では熊本県(0.56)、山口県(0.42)、沖縄県(0.38)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では大分県(1.64)、鹿児島県(1.04)、山口県(0.96)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(2.86)、栃木県(2.14)、埼玉県(1.78)が多い。
|