メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

(IDWR 2002年第18号掲載)  黄色ブドウ球菌は、ヒトや動物の皮膚、消化管内などの体表面に常在するグラム陽性球菌である。通常は無害であるが、皮膚の切創や刺創などに伴う化膿症や膿痂疹、毛嚢炎、セツ、癰、蜂巣炎...

続きを読む

国立感染症研究所 実地疫学研究センター
感染症疫学センター
2023年2月3日現在
(掲載日:2023年9月27日)

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA)感染症は、1999年4月に施行された感染症法で四類定点把握対象疾患に、また、2003年11月の感染症法の改正では五類定点把握対象疾患となり、現在、基幹定点医療機関(病床数300以上の内科又は外科を標榜する病院で、全国約500定点)の医師がMRSA感染症と診断した場合、月単位に届出ることが義務付けられている。

MRSA感染症としての届出対象はMRSA感染により発症した患者であり、保菌しているだけの者は対象外である(届出基準、届出票についてはhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-41-01.html 参照)。なお、感染症法に基づく届出の基準として示されたMRSAの判定基準値は、病院で用いられている判定基準値と異なることがある(文末参考)。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan