国立感染症研究所

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国内飼育下のアジアゾウからのヒト型結核菌の分離

(IASR Vol. 42 p228-230: 2021年10月号)

 
はじめに

 結核菌(Mycobacterium tuberculosis)はヒトに空気感染し, 主に肺に病変を作り, 呼吸器症状を引き起こすことが知られており, 人獣共通感染症としてゾウにも感染することがわかっている。世界各国の飼育下のゾウの感染事例1,2)のほか, スリランカやインドでは野生のゾウの感染3,4)も報告されている。米国ではゾウ結核のガイドライン5)が定められており, 世界の動物園や飼育施設でもゾウの結核スクリーニング検査の実施が推奨されている6)。今回, 日本国内の動物園で飼育されていたゾウから分離された結核菌の遺伝子解析について報告する。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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