発生動向総覧
〈第39週コメント〉 10月1日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核339例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢3例 |
|
菌種:S. sonnei (D群)3例_感染地域:新潟県1例、インド1例、ベトナム/カンボジア1例
|
腸管出血性大腸菌感染症67例(有症者47例、うちHUS なし) |
|
感染地域:国内63例、ドイツ3例、国内・国外不明1例 国内の多い感染地域:東京都7例、神奈川県6例、静岡県5例、北海道3例、兵庫県3例、福岡県3例、茨城県2例、埼玉県2例、山口県2例 年齢群:0歳(1例)、1歳(3例)、2歳(1例)、3歳(2例)、5歳(2例)、6歳(4例)、7歳(1例)、9歳(2例)、10代(11例)、20代(13例)、30代(10例)、40代(4例)、50代(4例)、60代(4例)、70代(3例)、80代(2例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(24例)、O157 VT2(12例)、O26 VT1(5例)、O26 VT2(3例)、O157 VT不明(3例)、O91 VT不明(2例)、O157 VT1(1例)、O145 VT2(1例)、O145 VT1(1例)、O121 VT2(1例)、O91 VT1(1例)、O57 VT不明(1例)、O26 VT1・VT2(1例)、O157 VT1・VT2/O153 VT2(1例)、その他・不明(10例) 累積報告数:3,408例(有症者2,429例、うちHUS 85例.死亡2例)
|
腸チフス4例(感染地域:東京都2例、インド1例、パキスタン1例) |
4類感染症: |
E型肝炎1例〔感染地域:国内(都道府県不明)_感染源:生肉の摂取〕 エキノコックス症1例(多包条虫_感染地域:北海道) オウム病1例(感染地域:東京都_感染源:飼育していた鳥)
重症熱性血小板減少症候群1例
|
|
感染地域:広島県 年齢群:60代
|
チクングニア熱1例(感染地域:ジャマイカ)
デング熱11例
|
|
感染地域:東京都6例、インドネシア1例、タイ1例、マレーシア1例、ミャンマー1例、キューバ/メキシコ1例 累積報告数:292例(感染地域:国内149例*、国外143例) * 届出時期等により、厚生労働省公表分と異なる可能性があります。
|
日本紅斑熱7例
|
|
感染地域:三重県2例、広島県2例、和歌山県1例、佐賀県1例、鹿児島県1例
|
マラリア2例
|
|
三日熱2例_感染地域:アフガニスタン1例、インドネシア1例
|
レジオネラ症23例(肺炎型20例、ポンティアック型2例、無症状病原体保有者1例)
|
|
感染地域:東京都3例、神奈川県3例、兵庫県3例、宮崎県2例、宮城県1例、長野県1例、愛知県1例、三重県1例、滋賀県1例、大阪府1例、広島県1例、国内(都道府県不明)4例、中国1例 年齢群:40代(1例)、50代(5例)、60代(6例)、70代(3例)、80代(6例)、90代(2例) 累積報告数:914例
|
|
5類感染症: |
アメーバ赤痢9例(腸管アメーバ症8例、腸管及び腸管外アメーバ症1例) |
|
感染地域:山形県1例、東京都1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)5例、フィリピン/ベトナム1例 感染経路:性的接触2例(異性間2例)、経口感染3例、不明4例
|
ウイルス性肝炎2例 |
|
B型2例_感染経路:性的接触2例(異性間1例、異性間・同性間不明1例)
|
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症8例(うち1例死亡) |
|
菌検出検体:血液2例、腹水1例、喀痰1例、尿1例、その他3例 菌種:K. pneumoniae 3例、E. cloacae 2例、E. aerogenes1例、E. coli 1例、不明1例 感染経路:以前からの保菌2例、医療器具関連2例、手術部位2例、不明2例
|
急性脳炎1例(病原体不明_年齢群:3歳) クリプトスポリジウム症1例(感染地域:北海道)
クロイツフェルト・ヤコブ病4例 |
|
孤発性プリオン病古典型4例(うち1例死亡)
|
劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例 |
|
年齢群:30代(1例)、50代(1例)、60代(1例)、80代(1例)
|
後天性免疫不全症候群21例(AIDS 3例、無症候15例、その他3例) |
|
感染地域:国内18例、タイ1例、国外(国不明)1例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触18例(異性間4例、同性間13例、異性/同性間1例)、不明3例
|
ジアルジア症2例〔感染地域:国内(都道府県不明)1例、インド1例〕
侵襲性インフルエンザ菌感染症2例(菌検出検体:血液2例) |
|
年齢群:70代(2例)
|
侵襲性肺炎球菌感染症11例(菌検出検体:血液10例、血液・髄液1例) |
|
年齢群:0歳(1例)、1歳(1例)、2歳(1例)、3歳(1例)、50代(3例)、60代(2例)、70代(1例)、80代(1例)
|
水痘(入院例に限る)6例(検査診断例2例、臨床診断例4例) |
|
年齢群:0歳(2例)、2歳(1例)、20代(1例)、30代(1例)、80代(1例)
|
梅毒15例(早期顕症I期1例、早期顕症II期6例、無症候8例)
播種性クリプトコックス症2例
|
|
年齢群:70代(2例) 感染地域:東京都1例、熊本県1例 菌検出検体:血液1例、髄液1例
|
破傷風1例(年齢群:80代)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例
|
|
遺伝子型:不明_菌検出検体:血液
|
薬剤耐性アシネトバクター感染症1例
|
|
菌検出検体:喀痰
|
(補)2013年第39週から2014年第38週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢1例〔菌種:S. sonnei (D群)_感染地域:ベトナム〕、デング熱5例〔うち1例デング出血熱(感染地域:東京都).感染地域:東京都4例、フィリピン1例〕、日本紅斑熱1例(感染地域:島根県)、ライム病1例(感染地域:長野県)、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症4例(菌種:C. koseri 1例、E. cloacae 1例、E. coli 1例、K. pneumoniae 1例_感染経路:以前からの保菌3例、不明1例)、急性脳炎8例〔ロタウイルス1例_年齢群:2歳.病原体不明7例_年齢群:0歳(3例)、1歳(1例)、2歳(1例)、5歳(1例)、8歳(1例)〕、クリプトスポリジウム症1例(感染地域:北海道)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(70代.死亡)、水痘(入院例に限る)1例(60代)などの報告があった。
|
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は沖縄県(1.09)、熊本県(0.78)、愛媛県(0.28)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は3例と前週と比較して増加し、2県から報告があった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は2,942例と増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約75%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は徳島県(1.09)、沖縄県(0.71)、奈良県(0.59)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は山口県(2.56)、鳥取県(2.47)、香川県(2.28)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は大分県(6.50)、宮崎県(6.00)、岡山県(4.93)である。水痘の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は福井県(1.77)、新潟県(1.05)、鹿児島県(1.04)である。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は鹿児島県(1.78)、山形県(1.60)、沖縄県(1.59)である。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は香川県(0.10)、福岡県(0.06)、沖縄県(0.06)、鳥取県(0.05)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第36週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は北海道(2.08)、福島県(1.84)、宮城県(1.69)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は富山県(1.20)、青森県(1.00)、秋田県(0.88)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)の定点当たり報告数は減少した。2県から2例報告があり、年齢別では0歳(1例)、10代(1例)であった。
|