発生動向総覧
〈第25週コメント〉 6月25日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核405例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢2例 |
|
菌種:S. flexneri (B群)1例_感染地域:長野県 S. sonnei (D群)1例_感染地域:ハイチ
|
腸管出血性大腸菌感染症119例(有症者89例、うちHUS 3例) |
|
感染地域:国内116例、フランス1例、ベトナム1例、ブルガリア/ルーマニア1例 国内の多い感染地域:埼玉県19例、宮城県11例、神奈川県11例、栃木県8例、群馬県7例、東京都7例、福島県6例、岩手県2例、山形県2例、茨城県2例、岐阜県2例、三重県2例、大阪府2例、福岡県2例 年齢群:0歳(3例)、1歳(5例)、2歳(5例)、3歳(3例)、4歳(1例)、5歳(3例)、9歳(4例)、10代(18例)、20代(13例)、30代(22例)、40代(10例)、50代(5例)、60代(10例)、70代(10例)、80代(7例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(74例)、O26 VT1(23例)、O157 VT2(8例)、O103 VT1(3例)、O121 VT2(3例)、O26 VT2(1例)、O28ac VT2(1例)、O111 VT1・VT2(1例)、O157 VT1(1例)、O157 VT不明(1例)、その他・不明(3例) 累積報告数:681例(有症者488例、うちHUS 21例.死亡1例)
|
腸チフス1例(感染地域:東京都) パラチフス1例(感染地域:インド) |
4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:埼玉県_感染源:不明) A型肝炎3例(感染地域:茨城県1例、奈良県1例、パキスタン1例)
重症熱性血小板減少症候群4例
|
|
感染地域:和歌山県1例、山口県1例、高知県1例、宮崎県1例 年齢群:20代(1例)、70代(1例)、80代(2例)
|
つつが虫病5例(感染地域:福島県2例、新潟県2例、秋田県1例)
デング熱7例
|
|
感染地域:インドネシア1例、シンガポール1例、スリランカ1例、タイ1例、フィリピン1例、マレーシア1例、インドネシア/マレーシア1例
|
日本紅斑熱1例(感染地域:熊本県) マラリア1例(熱帯熱_感染地域:モザンビーク)
レジオネラ症29例(肺炎型27例、ポンティアック型2例)
|
|
感染地域:神奈川県4例、宮城県2例、東京都2例、富山県2例、宮崎県2例、秋田県1例、栃木県1例、埼玉県1例、新潟県1例、福井県1例、長野県1例、京都府1例、大阪府1例、広島県1例、山口県1例、高知県1例、福岡県1例、東京都/千葉県1例、国内(都道府県不明)4例 年齢群:40代(1例)、50代(2例)、60代(11例)、70代(8例)、80代(5例)、90代(2例) 累積報告数:464例
|
レプトスピラ症1例(感染地域:山形県_感染源:不明) |
5類感染症: |
アメーバ赤痢17例(腸管アメーバ症15例、腸管外アメーバ症2例) |
|
感染地域:大阪府2例、青森県1例、埼玉県1例、東京都1例、新潟県1例、岐阜県1例、愛知県1例、三重県1例、長崎県1例、熊本県1例、国内(都道府県不明)3例、タイ2例、香港1例 感染経路:性的接触1例(同性間)、経口感染6例、性的接触(異性間)/経口感染2例、不明8例
|
ウイルス性肝炎1例(B型_感染経路:不明)
急性脳炎4例 |
|
単純ヘルペスウイルス1例_年齢群:80代 病原体不明3例_年齢群:0歳(1例)、1歳(1例)、30代(1例.死亡)
|
クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔年齢群:40代(1例)、50代(1例)〕
後天性免疫不全症候群19例(AIDS 7例、無症候10例、その他2例) |
|
感染地域:国内16例、インドネシア1例、ブラジル1例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触17例(異性間3例、同性間12例、異性/同性間2例)、不明2例
|
侵襲性インフルエンザ菌感染症2例(菌検出検体:血液2例) |
|
年齢群:60代(1例)、90代(1例)
|
侵襲性肺炎球菌感染症9例(菌検出検体:血液9例) |
|
年齢群:1歳(6例)、3歳(1例)、60代(1例)、70代(1例)
|
梅毒20例(早期顕症I期9例、早期顕症II期1例、無症候10例) 破傷風3例〔年齢群:40代(1例)、50代(1例)、60代(1例)〕
風しん3例(検査診断例1例、臨床診断例2例)
|
|
感染地域:愛知県1例、京都府1例、兵庫県1例 年齢群:10~14歳(1例)、15~19歳(1例)、50代(1例) 累積報告数:224例(検査診断例141例、臨床診断例83例)
|
麻しん14例〔麻しん(検査診断例11例、臨床診断例1例)、修飾麻しん2例〕
|
|
感染地域:愛知県9例、大阪府2例、神奈川県1例、滋賀県1例、国内(都道府県不明)1例 年齢群:0歳(2例)、1歳(4例)、5~9歳(1例)、20~24歳(4例)、25~29歳(1例)、30~34歳(2例) 累積報告数:391例〔麻しん(検査診断例292例、臨床診断例50例)、修飾麻しん49例〕
|
(補)他に細菌性赤痢1例の報告があったが削除予定。また、2013年第25週から2014年第24週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎1例〔感染地域:国内(都道府県不明)_感染源:不明〕、デング熱1例(感染地域:インドネシア)、日本紅斑熱2例(感染地域:三重県1例、高知県1例)、急性脳炎2例(インフルエンザウイルスA型1例_年齢群:2歳.病原体不明1例_年齢群:8歳)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例〔30代(1例.死亡)、70代(1例)、90代(1例.死亡)〕などの報告があった。
|
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は第17週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は沖縄県(4.55)、鹿児島県(1.02)、宮崎県(0.20)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は14例と前週と同値であり、7都県から報告があった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は256例と増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約79%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は富山県(1.83)、栃木県(1.77)、北海道(1.41)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は鳥取県(4.74)、島根県(3.96)、福岡県(3.73)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第22週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は大分県(9.92)、愛媛県(9.78)、島根県(9.39)である。水痘の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は長野県(2.41)、岩手県(2.35)、宮崎県(2.33)である。手足口病の定点当たり報告数は第20週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は大分県(4.28)、宮崎県(3.94)、鹿児島県(2.18)である。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は宮崎県(0.14)、沖縄県(0.09)、愛媛県(0.08)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は鳥取県(6.05)、山口県(4.60)、宮崎県(3.67)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は高知県(1.38)、長崎県(1.08)、宮城県(0.92)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)の定点当たり報告数は第21週以降減少が続いている。24都道府県から66例報告があり、年齢別では0歳(9例)、1~4歳(46例)、5~9歳(6例)、10代(3例)、50代(1例)、70歳以上(1例)であった。
|