国立感染症研究所

 Q4. 大人になってからの予防接種について

 最近、ミニブタのいる牧場に頻繁に遊びに行きます。そこには蚊などの虫もたくさんいますので、ふと、日本脳炎について心配になりました。私は昭和50年代生まれで、母子手帳を見ますと、幼少時に日本脳炎の予防接種を5度ほど受けています。しかし今は30代になり随分と年月が経っているので、いまも効き目があるのか、素人としては心配です。

 日本脳炎をはじめ、子供のころに予防接種を受けている病気に対して、その効き目は今もあるのでしょうか?子供のころに予防接種を受けていても、大人になってから再度接種すべきワクチンはあるのでしょうか?


(群馬県在住 30代 主婦)

 答え

  ワクチンには大きく分けて「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2つがあります。 日本で使われている日本脳炎ワクチンは「不活化ワクチン」です。

 生ワクチンは、生きたウイルスや細菌などが含まれていますが、弱毒化されていますので(病気を起こす性質を弱くしていますので)、予防接種を受けた後にその病気と同じくらいの症状が出ることはなく、全く症状がなく免疫だけが獲得できることもよくあります。しかし、接種されたワクチンに含まれるウイルスなどは体の中で増え、その感染症に軽くかかったような状態になることから、一般に1回の予防接種でしっかりと、長く持続する免疫ができるとされています。

 一方、不活化ワクチンには生きたウイルスなどは含まれておらず、予防接種を受けた後に体の中で増えることはないので、1回の予防接種では十分な免疫ができず、十分な免疫ができるように何回か予防接種を受ける必要があります。また、免疫が持続する期間は生ワクチンと比較すると短くなります。

 日本の定期予防接種(法律に定められた予防接種で、市区町村の公費補助がある予防接種)のほとんどは子どもが対象となっていますが、少なくとも麻疹(はしか)、風疹(三日はしか)、日本脳炎、百日咳では、子どもの頃に受けた予防接種でできた免疫が大人になって弱くなってくることが分かってきています。

 免疫がどれくらい持続するかは人によって異なり、また、病気にならないためにどれくらいの免疫があれば良いかは病気によって異なるため、ひとまとめに言うことは難しいですが、麻疹、風疹、日本脳炎、百日咳は子どもだけでなく、大人でも免疫がなければかかってしまう病気ですので、すべて任意接種(費用は個人負担)となりますが、予防接種を受けて、免疫を強くしておくのも選択肢の1つと考えます。

 個人個人それぞれの免疫の状態というわけではありませんが、各年齢における免疫状況の傾向について、最近の調査結果が下記のWebページでご覧いただけますので、参考にしてください。Webページ:http://idsc.nih.go.jp/yosoku/index.htmlグラフ/抗体保有状況から疾病を選ぶと結果を見ることができます。

 例えば、日本脳炎の場合、2009年に30~34歳の人は約40%が抗体(免疫)を持っていますが、残りの約60%の人は抗体を持っていません。

 あとは、その感染症にかかるリスクを考慮して、定期予防接種に含まれていないワクチンであっても、例えば水ぼうそうやおたふくかぜなどは、大人になってからかかると、重症になることが知られていますので、予防接種を受けたことがなく、またかかったこともないのであれば、予防接種を受けておかれると良いと思います。

(2010/6/15 IDSC 更新)

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