国立感染症研究所

 

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ポリオワクチン(OPV, cIPV, sIPV)接種後の血中抗体持続性: 1974~2022年度の感染症流行予測調査より

(IASR Vol. 44 p146-148: 2023年9月号)
 
背 景

ポリオウイルス患者は経口生ポリオワクチン(OPV)により減少したが, OPV使用にともなうワクチン関連麻痺やワクチン由来ポリオウイルスによるポリオ流行が問題であった。ポリオ根絶にはOPVの完全な使用停止が必要であり, 多くの国でOPVから不活化ポリオワクチン(IPV)への切り替えが進められ, IPV導入国の多くは強毒株由来IPV(cIPV)を採用している。セービン株由来IPV(sIPV)はcIPVと比較しバイオリスクの低減が期待されており, わが国は世界に先駆けて2012年11月に定期接種化された。2023年5月時点, sIPV導入国は日本と中国の2カ国で, sIPV単独での接種スケジュールを導入するのは日本のみである。そのため, sIPV接種者における防御効果の持続性に関する知見が極めて少ない。今回, sIPV接種による防御効果の持続性を血中抗体価の観点から検討し, cIPV接種者およびOPV接種者の血中抗体価と比較した。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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