国立感染症研究所

 

感染症の病理学的検査について



国立感染症研究所感染病理部では患者の診断・治療、および感染症の病態解明や、将来の診断・治療に役立てる目的で、国内外のヒト感染症例の生検・手術・剖検材料等を対象として、病理学的検索などを行っています。病理学的検査の依頼に当たり、下記の点をご了解ください。


1. 本業務の目的:国内外から集められたヒト感染症例材料を用いて、共同研究として病理学的検査および解析を行い、その結果を患者の診断・治療に役立てるとともに、感染症の病態解明や、将来の診断・治療に役立てる目的で行っています。したがって、依頼者は国立感染症研究所感染病理部との共同研究者、または、研究協力者として、ご依頼いただくことになります。


2. 検査依頼の要件: 患者の診断に関わる場合、あるいは学術的に価値があり、当部として対応が可能な症例につき、原則、検体を受け入れます。


3. 事前相談: 病理学的検査業務を依頼する場合は必ず事前に感染病理部員にご相談ください。


4. 同意:検査の余剰検体は匿名検体として他の研究で使用することがあります。検体を国立感染症研究所に検査のために送付すること、余剰検体が感染症の研究にも使われる場合があることの説明を行い、文書で同意を得た上で検査の依頼をしていただきますようお願いいたします。やむを得ない事情で検査前に同意が得られない場合は担当者にご相談ください。


5. 検体輸送:検体は担当者と十分協議の上、個人情報を削除した簡単な臨床歴(下記、個人情報保護の項を参照)を添付し、輸送してください。とくに病原体を含む検体は担当者とよく相談した上で、基本的に3重包装をしたうえで、ゆうパックでお送りください。輸送容器は当部から貸し出しが可能です。


6. 個人情報保護: 患者の特定につながる情報(受診医療機関名、氏名、イニシャルなど)は記載しないで下さい。診断に重要と考えられる情報(顔面などの肉眼所見写真,生検日,手術日など)を用紙に記載もしくは添付する場合でも患者の特定につながらないようにご配慮下さい。病理診断書、剖検記録などのコピーを添付する場合は当該部分を削除してください。


7. 費用:原則として送料以外の費用はかかりません。


8. 検査期間:検索結果は通常2週間程度で報告されます。急を要する場合や、2週間以上経っても報告がない場合は担当者にお問い合わせください。


9. 結果の報告:報告書は医師および病理専門医の資格を持つ部長名で発行しますが、報告内容はあくまでも参考事項であり、診断の最終責任は依頼者にあることにご留意ください。


10. 調査票と同意書のコピー:患者の同意等を確認するために、結果の報告の際に調査票をお送りします。報告書受領後1ヶ月以内を目安に、国立感染症研究所感染病理部までご返送下さい。なお、同意書が得られている場合は試料提供者(患者さん)の氏名をスミ塗りしたコピーを同時にお送りいただきますようお願い申し上げます。


11. 検体の返却:原則として、余剰検体の返却はいたしません。あらかじめよく担当者と相談の上、検査に必要十分な量をお送りください。希望があれば染色標本の返却を行います。パラフィンブロックをお送りいただいた場合は検査終了後に返却いたします。


12. 発表:報告書に書かれた内容を公表する場合にはあらかじめ担当者に了解を得てください。症例報告のプライオリティーは原則として依頼者に帰属します。ただし、当研究機関で多くの症例を集積した場合、研究倫理委員会の許可を得て、当該症例を他の症例とともに当部より発表することがあります。


以上、ご不明な点がありましたら下記までお問い合わせください。


病理学的検査業務受付: 


国立感染症研究所 感染病理部長
〒162-8640 東京都新宿区戸山1-23-1
E-mail: info@nih.go.jp  

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