感染研市民セミナー(第49回) 「くらしに役立つ病気の知識」 最近のヒト・動物インフルエンザの流行状況 国立感染症研究所(村山庁舎)では、毎日を健康に明るく過ごすための情報を、分かりやすく提供する市民公開セミナー「くらしに役立つ病気の知識」をシリーズ...
続きを読むメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症 1999年4月~2022年12月 (IASR Vol. 45 p33-34: 2024年3月号) (2024年3月27日黄色部分加筆、横線部分削除) 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は, ヒトや動物の皮膚, 粘膜...
続きを読む下記の訓練は予定通り終了致しました。
令和元年8月26日
東京都は2014年にデング熱の流行(約160名の患者)を経験しています。2018年の訪日旅行者数はあれから2倍以上に増加し,デング熱をはじめとした蚊媒介感染症発生リスクはさらに高まっています。
このような背景から,デングウイルスを保有した媒介蚊(ヒトスジシマカ)が確認されたことを想定した感染蚊駆除訓練を行うこととなりました。
この訓練では,媒介蚊の密度調査,感染蚊駆除のための殺虫剤散布,その後の効果判定などを行います。関係機関が組織の枠を超えて緊急時に円滑に連携して行動する体制を整えること,そして国民に媒介蚊対策の重要性を広く認識していただくことを訓練の目的としています。
お問い合わせ
国立感染症研究所昆虫医科学部
東京都新宿区戸山1-23-1
電話:03-5285-1111(内線2400)
葛西真治(部長,企画代表)
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デング熱等蚊媒介性感染症の発生を想定した訓練の実施について
新宿御苑は平成26年9月にデングウイルス保有蚊の確認に伴う閉園を経験しています。2020年に東京オリンピック・パラリンピック開催を控え,デング熱等蚊媒介性感染症発生時の関係機関の迅速で円滑な対応を目指して,新宿御苑における訓練を以下の要領で実施いたします。
1.目的
(1)蚊媒介性感染症発生時に感染拡大を防ぐためにそれぞれの立場で適切に対応し,関連部署間で綿密かつ円滑に連携できるようシミュレーションしておく事
(2)いつ蚊媒介感染症が流行しても対応できる準備を整えていることを国民に広く知ってもらうこと
(3)万が一緊急事態が発生した場合に,それに備えて十分な準備をしてきたことを国民に伝え,少しでも安心感を与えられる環境を作っておくこと
(4)感染蚊駆除の現場を公開し,地方自治体の関連部署の方々に,緊急時への備えの参考にしていただくこと
2.実施概要
<開催日> 令和元年9月2日(月)(雨天時は9月9日(月))
<場所> 新宿御苑内(閉園日)
<関連機関>新宿区保健所、渋谷区保健所,東京都福祉保健局、東京都健康安全研究センター,東京都ペストコントロール協会,日本環境衛生センター,日本ペストコントロール協会,日本防疫殺虫剤協会,日本有害生物研究会,環境省,厚生労働省
<訓練内容とタイムテーブル>
①関係機関における連絡訓練(新宿御苑管理事務所、国立感染症研究所昆虫医科学部、新宿区保健所、渋谷区保健所,東京都福祉保健局、東京都健康安全研究センター,日本環境衛生センター,東京都ペストコントロール協会,日本防疫殺虫剤協会)前日~当日にかけて
②蚊駆除エリア選定のための密度調査(国立感染症研究所,日本環境衛生センター,東京都健康安全研究センター)午前 8時~
②新宿御苑内(一部)で殺虫剤(ULV,動力噴霧,炭酸ガス製剤)による蚊成虫駆除作業(東京都ペストコントロール協会)9時頃~
③殺虫剤散布による蚊の駆除効果確認(国立感染症研究所,日本環境衛生センター,東京都健康安全研究センター)10時頃~
④訓練の総括(駆除前後の捕集蚊数の発表など)
⑤報道対応
ダウンロード: デング熱・チクングニア熱・ジカウイルス感染症等の媒介蚊対策<緊急時の対応マニュアル20191024版>
2014年夏にわが国では約70年ぶりにデング熱の国内流行が発生した。160名を超える患者のうち99%が主に東京都内の公園で感染したと推測され、患者の居住地は全国19都道府県に散見していた。8月28日に第一例が報道され、翌29日に媒介蚊であるヒトスジシマカの生息数調査と殺虫剤による成虫駆除が実施された。デング熱は、感染症の予防感染症の患者に対する医療に関する法律(以下、「感染症法」という。)に基づく感染症発生動向調査では全数把握の4類感染症として分類されており、診断後直ちに届け出ることが医師に義務付けられている。また、積極的疫学調査が可能になったことから、この流行の発端は、報道による第一例よりさらにさかのぼり、8月9日に発症した患者がいたことが明らかになった。成虫駆除を行った日は流行開始から既に20日が過ぎており、ヒトスジシマカが推定感染地に留まっている可能性が低かったことも後に明らかになった。
デングウイルスを伝播するのはヤブカ属シマカ(Stegomyia)類の蚊である。シマカ類は世界中に約130種類が生息しているが、その中でデングウイルス媒介蚊として重要な種類は、ネッタイシマカとヒトスジシマカの2種類である。また、国内にはデングウイルスが増殖することが実験的に確認されたシマカ類も複数分布しているが、これらの生態的条件を考慮してデングウイルスの媒介能力を比較すると、ネッタイシマカとヒトスジシマカの伝搬能力が優れていることは明らかである。
本媒介蚊対策マニュアルは、2015年4月28日付の蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針(平成27年厚生労働省省告示第260号)の策定に伴い作成された、平常時の対応を中心に、緊急時対応に言及した「デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・対策の手引き 地方公共団体向け(平成29年4月28日改定)」の内容から、特に緊急時の媒介蚊対策に焦点を当て、詳細に解説した。2014年の媒介蚊対策で得られた知見を反映させ、さらに、その後に昆虫医科学部で実施した野外における殺虫剤の効力試験の結果を加えた緊急時の対策マニュアルとなっている。また、近年、航空機によるネッタイシマカ成虫の侵入がいくつかの国際空港で頻繁に起きていることから、ネッタイシマカを対象とした蚊対策について付録を追加した。
2014年のデング熱国内感染事例の発生を受け、国内の医師や一般市民におけるデング熱等の認知が高まったこと、また迅速診断キットや地方衛生研究所における検査体制の整備などもあり、今後はデング熱等の国内感染症例が探知される機会が増えることが予想される。本マニュアルは、このような状況の変化の中、国内感染症例を早期に探知し、早期の対応を行うことにより新規の症例発生を防止することを目標とし、当該施設等管理者、市町村、都道府県等(等は保健所設置市及び特別区を含む)が実施すべき事項をまとめた。なお、今後、さらなる知見が集積された場合には、必要に応じて、マニュアル及び手引きの改訂版を発行する予定である。
第9回蚊分類学を志す若手研究者のための現地研修のご案内
2014年から西表島・沖縄島で実施しております蚊分類学を志す若手研究者のための現地研修には、これまで様々な専門分野の方にご参加いただき、本研修のニーズの高さおよび継続していくことの重要性を実感しております。そこで、第9回目の研修を別紙のように企画いたしました。対象者は蚊分類学を志す特に若手の学生、研究者としておりますが、今後、長きにわたり真剣に蚊にかかわる研究に取り組みたい方であれば年齢を問わず歓迎いたします。詳細は、募集案内をご覧ください。
ご質問、ご不明な点がございましたら、お気軽に世話人(比嘉このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。, CC.津田このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。)もしくは支援の二見(このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。)までご連絡ください。
世話人
比嘉由紀子(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
津田良夫(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
講師
津田良夫(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
比嘉由紀子(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
支援
宮城一郎(琉球大学名誉教授)
二見恭子(長崎大学 熱帯医学研究所)
平成26年度厚生労働科学特別研究事業として、感染症媒介蚊対策に関する実技検討会が行われました。検討会で用いられた資料がダウンロードできます。
蚊類調査に関する第5回研修会を2016年5月30、31日に感染研で実施しました。今回は全国から37名の参加希望者がありましたが、研修機材と実習スペースの制約のため、10名の方に参加していただきました。
研修で使用した資料を公開しますので、研修報告会などでご利用ください。今回参加できなかった方もご利用ください。