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腸管出血性大腸菌感染症とは

(IDWR 2002年第6号掲載) 腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli ; EHEC)感染症の原因菌は、ベロ毒素(Verotoxin=VT, またはShiga toxin =Stx と呼ばれている)を産生する大腸菌である。EHEC感染症においては、無症状から致死的なものまで様々な臨床症状が知られている。特に、腸管出血性大腸菌感染に引き続いて発症することがある溶血性尿毒症症候群(HUS)は、死亡あるいは腎機能や神経学的障害などの後遺症を残す可能性のある重篤な疾患である。HUSの発生予防につなげるためにも、HUSの実態把握と発生の危険因子を特定することが重要である。

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O抗原とは?

大腸菌の分類方法

 多様な抗原性を利用して、大腸菌は血清型別により分類されるO抗原とH抗原とが血清型別に用いられ、それぞれの型の組み合わせで大腸菌の血清型が決定される。

 O型別は菌体の表層にある糖鎖構造が抗原性(人や動物の体内で異物と認識される性質)を有し、また多様であることを利用した分類法である。大腸菌のO抗原はO1からO181まで存在する(O31, O47, O67, O72, O93, O94, O122は欠番となっている)。既知の型のいずれとも一致しないものが見いだされた時に新たに抗血清を得られ、新たな番号が付与される。O157とは大腸菌のO血清群で番号が157番目のもの、ということになる。

 H型別は、大腸菌の運動器官であるべん毛の抗原性を用いた方法で、H1からH56 (H13, H22は欠番)に分類されている

 

EHECの血清型

 EHECではO157抗原をもつ大腸菌が多く分離されているが、O157抗原を有する大腸菌が常にVT毒素を産生するEHECであるとは限らない。VT毒素産生性がEHECの病原性に重要である。同様に、O26, O111等の抗原性が直接病原性を表しているわけではない。

 

腸管出血性大腸菌感染症【更新情報】
















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