国立感染症研究所

MARCH8はエンベロープ糖タンパク質のビリオンへの取り込みを低下させることによってHIV-1感染を阻害する


MARCH8 inhibits HIV-1 infection by reducing virion incorporation of envelope glycoproteins.

Tada T, Zhang Y, Koyama T, Tobiume M, Tsunetsugu-Yokota Y, Yamaoka S, Fujita H, Tokunaga K.

Nature Medicine. 2015 Nov 2. doi: 10.1038/nm.3956.

Membrane-associated RING-CH8(MARCH8)は、RINGフィンガーE3ユビキチンリガーゼである11種類のMARCHファミリータンパク質の1つである。MARCH8は種々の宿主膜貫通タンパク質の発現を低下させるが,その生理的役割は不明である。今回我々はMARCH8を新規抗ウイルス因子として同定した。

  ウイルス産生細胞におけるMARCH8の過剰発現は、レンチウイルス産生のレベルには影響しないが、ウイルスの感染性を著しく低下させた。MARCH8はHIV-1エンベロープのビリオンへの取込みを、それらの相互作用を介して細胞膜から発現低下させることによって阻害し、結果としてウイルス侵入効率の大幅な低下を生じさせた。MARCH8の内因性発現は単球由来マクロファージおよび樹状細胞で高く、MARCH8を枯渇させたマクロファージから産生されたビリオンの感染性を有意に増加させた。今回の我々の知見は、MARCH8が最終分化した骨髄系細胞に高発現していること、そしてそれがウイルスエンベロープを標的とし、ビリオンへの取込みを低下させる強力な抗ウイルスタンパク質であることを示している。なお本研究は、国立感染症研究所感染病理部・免疫部、東京医科歯科大学、長崎国際大の共同研究の成果である。

 

 virology 2015 4

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

Top Desktop version