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キノロン耐性, 血清群C群, 遺伝子型ST-4821髄膜炎菌による侵襲性感染症 (2017年2月)―国内初遺伝子型原因菌

(IASR Vol. 38 p.83-84: 2017年4月号)

緒 言

わが国の侵襲性髄膜炎菌感染症の発症は年30~40例前後と稀だが, 致命率は17%にのぼる重篤な疾患である1)。近年わが国の髄膜炎菌血清群はB, Yが多く, C群は稀である1,2)。今回我々は血清群C群による侵襲性髄膜炎菌感染症幼児例を経験した。菌株の遺伝子型はST-4821と判明し, 同型は2000年代から中国で流行する侵襲性株3)であるが, 国内での発症既報告はない。さらに, ST-4821株の多くがキノロン耐性株であること4)は化学予防策の立案に重要な意味を含むため症例を報告する。

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