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インフルエンザ抗体保有状況 -2023年度速報第1報- (2023年11月21日現在) | |
はじめに |
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1. 調査対象および方法 |
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2. 調査結果 |
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【年齢群別抗体保有状況】 |
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コメント |
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国立感染症研究所 感染症疫学センター/インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター |
2022/23シーズン(2022年第36週~2023年第35週)のインフルエンザは, 報告が非常に低調であった過去2シーズンとは異なり, 全国的な流行開始の指標である1.00を上回る定点当たり報告数を認めた。
ボツリヌス症はボツリヌス菌毒素により, 神経筋伝達が阻害されることで発症する麻痺性疾患であり, 病態により食餌性ボツリヌス症(ボツリヌス食中毒), 乳児ボツリヌス症, 創傷ボツリヌス症, 成人腸管定着ボツリヌス症に分類される1)。ボツリヌス症は全数の届出が義務付けられている感染症であるが, 届出報告は稀であり, しばしば医療機関においても行政機関においても対応が難しい。今回, 発症10日目に完全閉じ込め症候群(totally locked-in syndrome: TLS)を呈し, 発症から診断までに1カ月を要したボツリヌス症例を報告する2)。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2023年5月8日から感染症法上の2類相当全数報告疾患から5類定点報告疾患に変更され, 感染症発生動向調査上は流行のトレンドとレベルの把握が中心となった。沖縄県では2023年4月後半から定点医療機関当たり報告数の増加がみられ, 5月には10人を超え, 第26週(6月26日~7月2日)には48.39人に達した。一方, 同週の日本全体の定点当たり報告数では7.24人と, 大きな隔たりがあり, 沖縄県は定点化変更後, 最も早くCOVID-19の大きな流行を認めた自治体であった。県内医療施設ではひっ迫状況を来しており, その背景情報の収集解析は保健行政・医療機関がCOVID-19対策を構築するうえで重要と考えられた。なお本報告は2023年7月末時点の情報に基づく。
国立感染症研究所
2023年11月16日時点
PDF
背景
検出状況
科学的知見
各国、各機関による評価
参考文献
注意事項
迅速な情報共有を目的とした資料であり、内容や見解は情勢の変化によって変わる可能性がある。
注目すべき感染症 ※PDF版よりピックアップして掲載しています。
◆A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
A群溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)がヒトに感染すると、その侵入部位や組織によって様々な症状を起こす。また、時に稀ながら劇症型溶血性レンサ球菌感染症の原因となることがある。本項では、主に小児の間で急性咽頭炎として発生する疾患であるA群溶血性レンサ球菌咽頭炎について述べる。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の潜伏期間は2~5日であり、突然の発熱、咽頭痛、全身倦怠感によって発症し、しばしば嘔吐を伴う。通常発熱は3~5日以内に下がり、主症状は1週間以内に消失する予後良好の疾患であるが、猩紅熱や急性糸球体腎炎に発展する場合がある。治療にはペニシリン系抗菌薬が第1選択薬とされている。いずれの年齢でも起こり得るが、幼児期から学童期の小児に多い。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、感染症発生動向調査の小児科定点把握の5類感染症であり、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から毎週報告されている(届出基準:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-17.html)。新型コロナウイルス感染症流行前の2019年までの感染症発生動向調査のデータでは冬季および春から初夏にかけての2つの報告数のピークが認められていた。2020年春以降は大きな流行はなく推移していたが、2023年は第19週頃から3年ぶりの流行を認めた。
2023年は、春先までは明らかな報告数の増加はみられなかったが、第19週(2023年5月8~14日)頃から増加に転じ、第23週(2023年6月5~11日:定点当たり報告数1.67)にピークとなった。その後は第33週(2023年8月14~20日)にかけて一度減少傾向となったが、その後再度増加傾向となり、第39週(2023年9月25日~10月1日:定点当たり報告数1.97)から第43週(2023年10月23~29日:定点当たり報告数3.05)にかけては、過去10年の当該週の定点当たり報告数よりも多い報告数となっている(以下、報告数等は集計時点暫定値)。なお、2023年第18週はゴールデンウィーク、第33週がお盆にあたり、届出数の解釈には注意が必要である。
2023年第1週(2023年1月2~8日)〜第43週(2023年10月23~29日)の年齢別・男女別・都道府県別累積報告数の特徴を以下に示す。年齢別では、5歳(22,001例.定点当たり累積報告数7.01)をピークに、3歳(14,446例.定点当たり累積報告数4.60)から7歳(15,309例.定点当たり累積報告数4.88)において報告数が多かった(表1)。男女別では、男性が82,324例(54.5%)、女性が68,864例(45.5%)であり、男性に多かった。都道府県別では、福岡県(定点当たり累積報告数114.78)、鳥取県(定点当たり累積報告数114.53)、長崎県(定点当たり累積報告数76.64)の順に報告数が多かった(表2)。なお、本疾患の発生動向調査は小児科定点医療機関のみからの報告であることから、成人における本疾患の動向の評価は困難である。
本疾患は通常、患者との接触を介して伝播するため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校、保育施設などでの集団感染が多い。予防としては、患者との濃厚接触を避けることが重要であるため、職員を含め体調不良者は出勤・登園を控える必要がある。また、手洗いや手指消毒の励行や、マスクを用いた咳エチケット(咳やくしゃみを発する者が周囲への感染予防のためにマスクを着用すること)も効果が期待できる。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の感染症発生動向調査に関する詳細な情報と最新の状況については、以下を参照いただきたい:
●IASR 溶血性レンサ球菌感染症 2012年~2015年6月
https://www.niid.go.jp/niid/ja/mdrp-m/mdrp-iasrtpc/5843-tpc426-j.html
●A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/340-group-a-streptococcus-intro.html
●感染症発生動向調査(IDWR)過去10年間との比較グラフ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/weeklygraph.html
●IASR小児科定点疾患としてのA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の動向(2011年~2016年第21週)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/group-a-streptococcus-m/group-a-streptococcusiasrs/6643-439p01.html
国立感染症研究所 感染症疫学センター