
「健康食品」や食品成分に関する情報
最近の健康意識の高まり、健康効果を期待させる食品・食品成分に関する研究の進歩から、テレビ、雑誌、インターネットを介して様々な食品・食品成分の情報が流され、市場には“雨後の竹の子”のように多種多様な健康食品等が出現しています(図1)。健康効果を期待させる食品には、厚生労働省が認めている特定保健用食品のように信頼できる食品もありますが、安全性・有効性に問題のある食品も多数あり、それらが関係した健康障害も発生しています。一方、インターネット等で流されている食品・食品成分に関する情報は、科学的に不確かなものや間違ったものがあり、このような状況は、一般消費者だけでなく食品・栄養を専門とする人達を混乱させ、その対策が望まれています。
健康食品等が関連した健康障害の問題を解決するには、問題となった食品の摘発や公表も重要です。しかし、摘発や公表された食品は時間が経てば忘れ去られ、類似した新たな食品が市場に出現するというように、根本的な解決ができにくい状況になっています。根本的な解決を行うためには、一般消費者が安易に健康食品等を利用する背景を考慮し、1)健康効果が期待できる食品・食品成分に関する正しい知識・情報の普及、2)健康障害を起こしている食品の把握、3)栄養・運動・休養のバランスのとれた健全な食生活の推進、を行うことが重要です。インターネット等を介して食品・食品成分に関する正しい情報を一般消費者に直接伝えることも有効な対策ですが、その場合、提供した情報が“理解しにくい、あるいは正しく伝わらない”などの問題があります。そのため一般消費者に最も近い存在である食品・栄養の専門職の方(主に栄養士)を中心とした情報ネットワークを構築し、その情報ネットワークを基盤として、現場の専門職の方から個々の一般消費者に適切なかたちの情報提供を行うことが、より的確で効率的な情報の伝達方法と考えられます(図2)。
当研究所では、このような考えに基づき、健康食品等の安全性情報ネットワーク構築プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、研究所のホームページを窓口として、1)食品・食品成分に関する正しい知識・情報、2)健康障害を起こす健康食品等に関する情報、3)その他の食品・食生活に関する問題と対策に関する情報をネットワークとして共有・提供し、厚生労働省が認めている保健機能食品等の適切な利用、健康障害を起こす食品の把握、健全な食生活の推進を図ることを目的としています。具体的には、一般消費者から要求される食品・食品成分、健康食品等に関する疑問や質問を把握し、それに対する科学的な知識や情報を整理・解析し、最終的にそれらの情報を現場の食品・栄養の専門職の方が活用しやすい形で提供します。研究所のホームページから提供する情報は、一般の人にも公開されます。このような情報ネットワークの中で、健康食品等が関連した健康障害の情報収集・把握も行い、健康障害の防止を図ります。さらに、情報ネットワークから得られた情報を踏まえ、食品・食品成分・健康食品等に関する安全性・有効性の調査研究も行います。

独立行政法人国立健康・栄養研究所では、『健康食品等の安全性情報ネットワーク』に参加いただける方を募集しています。詳しくは、参加案内をご覧下さい。